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涙道手術

涙の流れについて

涙の流れについて涙(涙液)は、涙腺より分泌されます。泣いた時など多量に分泌されますが、常時、瞬きにより少量の涙が分泌され、眼表面を潤わせています。
分泌された涙は、瞼の鼻側にある涙点から涙道に流れ出ます。涙道は涙小管、涙嚢、鼻涙管からなり、鼻腔の下方(下鼻道)に開放しています。

涙道閉塞

涙道閉塞涙道は生理的に細くなっている部位や曲がっている部位があり、色々な原因でその部位が閉塞することがあります。
閉塞すると、涙目(流涙症)や、目やに、見えずらい、目の周りがただれる、メガネが汚れるなどの症状がでます。涙嚢に炎症を起こし、目の内側が赤くなり、腫れ、強い痛みが出る涙嚢炎になることがあります。

涙道閉塞の検査

1. 流涙症の程度を調べます

下眼瞼縁にたまっている涙(メニスカス)の高さや、綿糸や特殊な紙(シルマー試験紙)で涙を吸い取って、ぬれ具合を測定します。

正常流涙症image

2. 涙管洗浄

点眼麻酔をしたうえで、涙道に水を流して鼻に流れるかどうかを検査します。

3. 涙道内視鏡

涙道内視鏡涙道を麻酔した後、直径が1mm以下の細い内視鏡を涙点から涙道に挿入します。涙道の閉塞している部分を観察することができます。

4. 鼻内視鏡

鼻内視鏡耳鼻科で使用している内視鏡です。涙道は鼻腔内(下鼻道)に開口しているため、涙道閉塞治療に必要な検査です。疼痛が無いように、鼻粘膜を麻酔して行います。

涙道閉塞の治療

主な治療方法は、涙管チューブ挿入術と涙嚢鼻腔吻合術です。

1. チューブ挿入術

涙道内視鏡で涙道内の閉塞部を観察しながら、閉塞を解除させます。
閉塞が無くなった涙道に、直径1mmの涙管チューブを挿入します。
涙管チューブは約2ヶ月間留置します。
手術は局所麻酔で、通院で行います。
ほとんど痛みはありません。
手術時間は15分前後です。
手術後約2週間ごとに通院し、涙管洗浄の経過観察が必要です。
手術翌日から、埃をかぶること、プールなどは1週間ほど避けたほうが望ましいですが仕事など日常生活の制限はほとんどありません。

涙管チューブ目がしらのところに見える涙管チューブ涙道内のチューブ鼻腔に出たチューブ

2.涙嚢鼻腔吻合術

涙嚢の鼻側は骨を隔ててすぐ鼻腔です。そこで、骨に小さな穴を開けて、涙道と鼻腔を直接つなぐ手術を涙嚢鼻腔吻合術といいます。

1. 涙嚢鼻腔吻合術「鼻外法」

鼻外法吻合を作るために目頭から鼻の横にかけて皮膚を切り涙嚢や鼻の骨を露出し、直接観察しながら吻合を作る方法を涙嚢鼻腔吻合術鼻外法といいます。皮膚切開が必要ですが、もっとも確実な手術で、手術適応が広いです。
手術は静脈注射による全身麻酔で行います。
1泊入院です。
手術時間は30分~60分です。
術後鼻出血が数日続きます。
抜糸は約1週間前後。

2. 涙嚢鼻腔吻合術「鼻内法」

鼻内法鼻の中を鼻内視鏡で観察しながら、鼻粘膜や骨を切開し、吻合孔を作る方法です。皮膚の傷を作らず、術後の社会復帰が早いが、鼻中隔湾曲症がないなど適応が限られています。
手術は局所麻酔で行います。
1泊入院です。
手術時間は30分~60分です。
術後鼻出血が数日続きます。

3. 涙嚢炎

鼻涙管閉塞のため、涙嚢に涙がたまり、そこに細菌感染を起こした状態を涙嚢炎といいます。特に急に眼がしらが赤く腫れ、疼痛を伴い、目の鼻側に目やに(濃)がたまった状態を急性涙嚢炎といいます。
抗生剤の点滴、内服で消炎させますが、ひどい時は皮膚を穿刺して、涙嚢内の膿を出す必要があります。
炎症が収まってから、涙嚢鼻腔吻合術を行います。

※涙道の手術は眼科と耳鼻科の診察が必要な特殊な手術のため、県内でも、これらの手術を行う医療機関は多くありません。詳しくはお問合せ下さい。

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