ドライアイ(目の表面が乾くこと)では、異物感や目の渇きなどの自覚症状の他、程度がひどい場合は充血や目の表面のびらん、目の痛みなどいろいろな症状が出てきます。軽い場合は人工涙液やドライアイ専用の点眼剤で治療しますが、この点眼では、自覚症状が軽快しない場合や、眼の表面の傷が改善しない場合があります。このような、高度のドライアイに対し、涙が排出される涙点(上涙点/下涙点)にシリコン製のプラグ(栓)を挿入することで、涙の排出を軽減する方法があります。
涙には細胞成長因子であるタンパク質やビタミンなどの重要な成分が含まれています。これは人工涙液では補うことはできません。涙点プラグの治療は、栄養を含んだ自分の涙で眼を潤すという点で優れた治療法といえます。
また、涙が少ない方にとって、コンタクレンズの装用はトラブルの元になります。涙点プラグを挿入して涙を保つことで、コンタクトレンズ装用による眼への負担が軽減できます。
涙点プラグの実際
涙点は上涙点・下涙点と2つありますので、ドライアイの症状にあわせて、上・下どちらか片方だけに挿入する場合もあります。また、涙点プラグは一度挿入しても、外来ですぐに外すことができます。
方法 | 点眼麻酔外来通院で行います。 |
治療時間 | 所要時間は約5分程度。 |
治療中の痛み | 痛みはほとんどありません。 |
その他 | 診察室で涙点の大きさを測定します。 ペンのような専用の道具を使いプラグを涙点に挿入します。 |
涙点プラグの注意点
涙点プラグを投入後、目やにやかゆみが増えることがあります。この場合は人工涙液で老廃物を洗い流したり、抗生物質、抗アレルギー剤の点眼を併用して対応します。それでも症状が改善しなかったり、かえって涙が溢れてしまう場合はプラグをはずします。